弁護士 李麗奈
離婚に伴い、財産分与を行う場合、税金を支払う必要があるのでしょうか?という質問をよくいただきます。
財産分与とは、離婚に伴い、夫婦一方の名義になっている財産を、他方に対して渡すことです。
では、例えば、夫から妻に財産分与として、離婚の際に、金銭を渡す場合、贈与税などの税金を支払う必要があるのでしょうか?
結論としては、基本的に贈与税を支払う必要はありません。
財産分与は、婚姻中に夫婦共同で築いた財産が一方の名義になっていたものを、離婚に際して、その一部を他方名義にすることで、夫婦共同の財産を清算するという趣旨であることから、贈与を受けたものではない、と考えるためです。
しかし、例外として、財産分与によって税金が課税される場合があります。以下の3つが挙げられます。
財産分与として、土地・建物といった不動産を渡す場合、渡した者には「譲渡所得」という税金が課税されます。
なお、財産分与として不動産を受け取った者には税金はかかりません。
ただし、離婚に際して、財産分与ではなく、慰謝料として不動産を受け取った場合、「不動産取得税」が課税されるので注意が必要です。
そこで、財産分与する財産の候補として、不動産と金銭がある場合、課税の金額も考慮して選択することをおすすめします。
財産分与された財産の金額が、婚姻中に夫婦共同で築いた財産の額などを考慮して、多すぎると判断される場合、財産分与ではなく、贈与であるとみなされ、多過ぎる部分について贈与税が課税されます。
離婚によって受け取った財産全てについて、贈与税が課税されることになります。
弊所には、離婚に伴う財産分与の手続きを多数経験している弁護士が複数所属しています。お気軽に弊所までお問合せください。