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韓国の戸籍・家族関係登録制度について

弁護士 李麗奈

 

相続の手続きで、誰が被相続人(亡くなられた方)の法定相続人(法律により相続人になる者)であるかについて証明するために、日本では「戸籍」制度が利用されています。

一方、被相続人が韓国国籍である、または韓国国籍であったことがある場合には、以下の通り、韓国の身分・家族関係に関する書類が必要になります。

 

●戸籍制度(2007年末まで)

韓国では、2007年末まで、日本と同じ戸籍制度が運用されていました。

戸籍には、本籍地・「戸主」を同じとする、戸主とその家族(配偶者、子、兄弟など)に関する情報(生年月日、両親の名前、婚姻など)が記載されていました。

2007年末に、韓国の新しい身分関係制度が始まったことにより、「戸籍制度」は廃止になりました。ただし、2007年末までの身分関係については、「除籍」という形で、従来の「戸籍」が身分関係の証明として利用されています。

 

 ●家族関係登録制度(2008年1月1日~)

韓国では2008年1月1日以降、戸籍制度に代わり、「家族関係登録」制度が運用されています。

家族関係登録制度では、一人ずつに、本人を基準とする5つの事項に関する登録があり、以下の5種類の証明書があります。

また、戸籍制度の「本籍地」の代わりに、これに相当する「登録基準地」という住所が各証明書に記載されています。

 

①基本事項証明書(本人の生年月日、死亡、改名、国籍喪失などの情報が記載)

②家族関係証明書(本人の両親、配偶者、子の名前・生年月日などが記載)

③婚姻関係証明書(配偶者、婚姻、離婚に関する事項が記載)

④養子関係証明書(*直訳「入養関係証明書」)

(養父母・養子の名前、養子縁組日などが記載)

⑤親養子関係証明書(日本の「特別養子」に該当する、特別な養子縁組に関する情報)

 

 ●戸籍等の入手方法

日本で暮らす韓国籍者であるいわゆる在日韓国人の場合、韓国の戸籍または家族関係登録制度の書類を入手するには、少なくとも、本人の名前・生年月日・本籍地または登録基準地の情報が必要です。

また、これらの書類を入手できるのは、基本的には本人、配偶者、子、直系卑属、(場合によっては兄弟姉妹)になります。

 

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